東海地方の銀行ランキング、国債等の保有を比較(2023年3月期)

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経済
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東海地方(愛知、岐阜、三重)にある主な銀行が保有している国債等について比較しました。

2013年4月に黒田日銀総裁が、国債の買入れを始めた結果、2023年3月末時点では、前期より55兆円増加し、581兆円の国債を日銀が保有しています。

金利上昇に伴い初めて国債の評価損益が1,571億円の赤字となりました。前期比:4兆5305億円の減少

日銀のマイナス金利導入の効果もあり、10年国債の利回りは0%近辺の取引となっていましたが、米国の金利引き上げに伴う金利差拡大により、0.43%へ金利が上昇しています。(2023年5月末現在)

金利の上昇局面では、国債の評価損が発生するため、安全資産ではなく、リスク資産と捉えて銀行経営の影響について検証しました。

掲載の順番は、[大手銀行] [ネット銀行] [地方銀行] の順に分け、さらに総資産の順に掲載しました。 純資産割合は単純計算としています。

 

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大手銀行

三菱UFJフィナンシャル・グループ

日本のトップバンク。総資産は386兆円、前期より13兆円増加。    国債及び地方債の保有割合は10.9%と多い。

経常収益(収入)52.7%の増収・経常利益率25.3%→11.0%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 867,469
 (内、国債)③ 385,708 国債保有率③÷① 9.97%
 (内、地方債)④ 39,047 地方債保有率④÷① 1.01%
 (内、社債) 38,663
 (内、その他) 405,051
貸出金 ⑤ 1,091,462 貸出金割合⑤÷① 28.2%
貸倒引当金 ⑥ △12,457 引当金割合⑥÷⑤ 1.141%
総資産の合計 ① 3,867,994
純資産の合計 ② 182,728 純資産割合②÷① 4.72%

三井住友フィナンシャル・グループ

傘下には、三井住友銀行、SMBC信託銀行、SMBC日興証券、セディナなど。 総資産が前期より13兆円増加。

国債及び地方債の保有割合は3.54%。財務状況は良い。

経常収益(収入)49.4%の増収・経常利益率25.3%→18.9%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 326,308
 (内、国債)③ 95,762 国債保有率③÷① 3.54%
 (内、地方債)④ ↑に含む 地方債保有率④÷① ↑に含む
 (内、社債) 36,012
 (内、その他) 194,534
貸出金 ⑤ 984,041 貸出金割合⑤÷① 36.3%
貸倒引当金 ⑥ △7,503 引当金割合⑥÷⑤ 0.762%
総資産の合計 ① 2,704,285
純資産の合計 ② 127,911 純資産割合②÷① 4.73%

※内、外国債券130,815億円

みずほフィナンシャル・グループ

総資産が前期より17兆円増加。

国債の保有割合は6.47%。純資産割合が3.62%と低い。

経常収益(収入)45.8%の増収・経常利益率14.1%→13.6%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 373,631
 (内、国債)③ 164,493 国債保有率③÷① 6.47%
 (内、地方債)④ 地方債保有率④÷①
 (内、社債) 58,381
 (内、その他) 150,757
貸出金 ⑤ 886,871 貸出金割合⑤÷① 34.8%
貸倒引当金 ⑥ △7,204 引当金割合⑥÷⑤ 0.812%
総資産の合計 ① 2,542,582
純資産の合計 ② 92,084 純資産割合②÷① 3.62%

※満期保有目的の国債等を含まない。

ゆうちょ銀行

日本郵政が親会社(60.2%)。前期より総資産が3兆円減少。

貸出金割合が少ないため、国債及び地方債の保有割合は19.0%と非常に多い。 国債の利回りが上昇すると多額の評価損が発生しやすい。

経常収益(収入)4.3%の増収・経常利益率24.8%→22.0%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 1,328,014
 (内、国債)③ 381,147 国債保有率③÷① 16.60%
 (内、地方債)④ 56,408 地方債保有率④÷① 2.45%
 (内、社債) 106,344
 (内、その他)※1 784,115
貸出金 ⑤ 56,043 貸出金割合⑤÷① 2.44%
貸倒引当金 ⑥ △10 引当金割合⑥÷⑤ 0.017%
総資産の合計 ① 2,295,822
純資産の合計 ② 96,518 純資産割合②÷① 4.20%

※1 主に外国債券を保有

 

ネット銀行

楽天銀行

2023年4月上場。 総資産が前期より2.1兆円の増加。

国債等の保有は5.5%。純資産割合が1.99%と低い。 経常利益率は32.1%と高い。

経常収益(収入)13.6%の増収・経常利益率26.3%→32.1%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 9,257
 (内、国債)③ 6,403 国債保有率③÷① 5.52%
 (内、地方債)④ 0 地方債保有率④÷① 0.00%
 (内、社債) 419
 (内、その他) 2,435
貸出金 ⑤ 37,805 貸出金割合⑤÷① 32.6%
貸倒引当金 ⑥ △21 引当金割合⑥÷⑤ 0.055%
総資産の合計 ① 115,895
純資産の合計 ② 2,316 純資産割合②÷① 1.99%

 

住信SBIネット銀行

親会社は、三井住友信託銀行(34%)及びSBIホールディングス(34%)。

国債及び地方債の保有割合は1.9%へ大幅に減少。純資産割合が1.51%と低い。

経常収益(収入)17.8%の増収・経常利益率27.8%→29.9%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 5,587
 (内、国債)③ 1,498 国債保有率③÷① 1.72%
 (内、地方債)④ 172 地方債保有率④÷① 0.19%
 (内、社債) 734
 (内、その他) 3,183
貸出金 ⑤ 65,948 貸出金割合⑤÷① 75.9%
貸倒引当金 ⑥ △30 引当金割合⑥÷⑤ 0.045%
総資産の合計 ① 86,790
純資産の合計 ② 1,316 純資産割合②÷① 1.51%

 

イオン銀行

親会社は、イオン(48%)

国債等の保有は少ない。純資産割合が5.6%と高い。

経常収益(収入)0.34%の増収・経常利益率8.1%→6.5%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 4,341
 (内、国債)③ 846 国債保有率③÷① 1.70%
 (内、地方債)④ 2 地方債保有率④÷① 0.01%
 (内、社債) 592
 (内、その他) 2,900
貸出金 ⑤ 24,836 貸出金割合⑤÷① 49.9%
貸倒引当金 ⑥ △36 引当金割合⑥÷⑤ 0.145%
総資産の合計 ① 49,748
純資産の合計 ② 2,818 純資産割合②÷① 5.66%

ソニー銀行

国債及び地方債の保有割合は3.23%。 純資産割合が2.82%と低い。

経常収益(収入)29.6%の増収・経常利益率27.5%→26.0%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 8,475
 (内、国債)③ 1,288 国債保有率③÷① 2.78%
 (内、地方債)④ 208 地方債保有率④÷① 0.45%
 (内、社債) 543
 (内、その他)※1 4,019
貸出金 ⑤ 30,097 貸出金割合⑤÷① 65.0%
貸倒引当金 ⑥ △8 引当金割合⑥÷⑤ 0.026%
総資産の合計 ① 46,307
純資産の合計 ② 1,309 純資産割合②÷① 2.82%

※1 主に外国債券を保有(2,342億円)

セブン銀行

親会社は、セブンイレブン(38%)

国債保有は無し、地方債の保有が3.0%と少ない。総資産の多くが現金のため、貸出金が少ない。 純資産割合は19.3%と充実している。

経常収益(収入)13.4%の増収・経常利益率20.6%→18.6%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 1,223
 (内、国債)③ 0 国債保有率③÷① 0.00%
 (内、地方債)④ 397 地方債保有率④÷① 3.02%
 (内、社債) 535
 (内、その他) 290
貸出金 ⑤ 351 貸出金割合⑤÷① 2.67%
貸倒引当金 ⑥ △15 引当金割合⑥÷⑤ 4.273%
総資産の合計 ① 13,122
純資産の合計 ② 2,542 純資産割合②÷① 19.37%

 

地方銀行

百五銀行

三重県の地銀首位。元三菱系。

国債及び地方債の保有割合は8.11%とやや多い。

経常収益(収入)3.8%の増収・経常利益率22.4%→23.4%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 14,020
 (内、国債)③ 1,521 国債保有率③÷① 2.02%
 (内、地方債)④ 4,568 地方債保有率④÷① 6.09%
 (内、社債) 2,083
 (内、その他) 5,846
貸出金 ⑤ 45,711 貸出金割合⑤÷① 61.0%
貸倒引当金 ⑥ △194 引当金割合⑥÷⑤ 0.424%
総資産の合計 ① 74,933
純資産の合計 ② 3,783 純資産割合②÷① 5.04%

十六銀行

岐阜県の地銀首位。元三菱系。

前期より総資産が1.2兆円減少。国債及び地方債の保有割合は9.86%と多い。

経常収益(収入)5.5%の減収・経常利益率29.2%→32.1%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 14,649
 (内、国債)③ 1,756 国債保有率③÷① 2.46%
 (内、地方債)④ 5,275 地方債保有率④÷① 7.40%
 (内、社債) 3,240
 (内、その他) 4,377
貸出金 ⑤ 47,250 貸出金割合⑤÷① 66.3%
貸倒引当金 ⑥ △218 引当金割合⑥÷⑤ 0.461%
総資産の合計 ① 71,233
純資産の合計 ② 3,439 純資産割合②÷① 4.82%

 

あいちフィナンシャル・グループ

愛知銀行と中京銀行が経営統合し、あいちフィナンシャル・グループを設立(2022年10月)

国債及び地方債の保有割合は7.4%

・経常利益率7.0%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 13,584
 (内、国債)③ 2,531 国債保有率③÷① 3.73%
 (内、地方債)④ 2,510 地方債保有率④÷① 3.69%
 (内、社債) 3,863
 (内、その他) 4,680
貸出金 ⑤ 45,684 貸出金割合⑤÷① 67.3%
貸倒引当金 ⑥ △275 引当金割合⑥÷⑤ 0.602%
総資産の合計 ① 67,862
純資産の合計 ② 3,234 純資産割合②÷① 4.76%

 

大垣共立銀行

岐阜県の地銀。前期より総資産が1.1兆円減少。

国債及び地方債の保有割合は7.6%。 純資産割合が4.00%とやや低い。

経常収益(収入)7.7%の増収・経常利益率18.4%→8.8%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 14,343
 (内、国債)③ 585 国債保有率③÷① 0.88%
 (内、地方債)④ 4,445 地方債保有率④÷① 6.74%
 (内、社債) 3,334
 (内、その他) 5,977
貸出金 ⑤ 45,253 貸出金割合⑤÷① 68.6%
貸倒引当金 ⑥ △229 引当金割合⑥÷⑤ 0.506%
総資産の合計 ① 65,883
純資産の合計 ② 2,641 純資産割合②÷① 4.00%

 

名古屋銀行

愛知県の地銀首位、第二地銀。三井住友系。

静岡銀行と業務提携を発表(2022年4月)

国債及び地方債の保有割合は5.13%。財務状況は非常に良く、三井住友系に共通している。

経常収益(収入)2.5%の増収・経常利益率20.2%→14.4%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 8,767
 (内、国債)③ 1,182 国債保有率③÷① 2.31%
 (内、地方債)④ 1,438 地方債保有率④÷① 2.82%
 (内、社債) 2,254
 (内、その他) 3,930
貸出金 ⑤ 36,262 貸出金割合⑤÷① 71.1%
貸倒引当金 ⑥ △140 引当金割合⑥÷⑤ 0.386%
総資産の合計 ① 50,982
純資産の合計 ② 2,453 純資産割合②÷① 4.81%

 

三十三フィナンシャル・グループ

三重県の地銀2位。三重銀行と第三銀行が合併。

国債及び地方債の保有割合は9.88%と多い。  前期より総資産が0.5兆円減少。

経常収益(収入)6.5%の減収・経常利益率6.9%→13.2%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 9,281
 (内、国債)③ 1,654 国債保有率③÷① 3.85%
 (内、地方債)④ 2,588 地方債保有率④÷① 6.03%
 (内、社債) 1,666
 (内、その他) 3,372
貸出金 ⑤ 28,520 貸出金割合⑤÷① 66.5%
貸倒引当金 ⑥ △241 引当金割合⑥÷⑤ 0.845%
総資産の合計 ① 42,857
純資産の合計 ② 1,950 純資産割合②÷① 4.55%

 

SMBC信託銀行

旧シティバンク銀行(米国)。親会社は三井住友フィナンシャル・グループ(100%)

国債及び地方債の保有は、4.47%と少ない。 純資産割合が3.47%とやや低い。

経常収益(収入)52.3%の増収・経常利益率8.2%→27.1%

貸借対照表(単位:億円) 財務分析
有価証券 2,256
 (内、国債)③ 725 国債保有率③÷① 1.75%
 (内、地方債)④ 1,123 地方債保有率④÷① 2.72%
 (内、社債) 229
 (内、その他) 178
貸出金 ⑤ 20,434 貸出金割合⑤÷① 49.5%
貸倒引当金 ⑥ △21 引当金割合⑥÷⑤ 0.102%
総資産の合計 ① 41,251
純資産の合計 ② 1,434 純資産割合②÷① 3.47%

 

東海地方の銀行ランキング(過年度版)

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